ホーム>STAFF BLOG>2021年10月

2021年10月

平面型(フラット)スピーカーとは

平面型振動板を採用したスピーカーの話です。80年代あたりはソニーなどの大手メーカーから結構ラインアップされていました。
一般的なスピーカーは、コーン型振動板の中心部から音が発せられます。発せられた音は円錐内で干渉しあい、空気の共振を発生する事で、周波数特性の乱れが出来たり、すり鉢型のために再生音の時間差が起きるなどの濁りや歪みの原因になったりします。一方、平面型振動板の場合は、面積全体から全ての周波数帯域を遅延なく均等に放射するために音の時間差や干渉といった問題が解消します。より忠実な再生が可能になるなどの優れた特性のために各社で平面スピーカーが開発されたのだと思います。
 
202110516536.png
 
平面型振動板は優れた位相特性やエネルギーの損失が少ない、歪みのないクリアな音が得られるなどの利点の反面、振動板に必要な剛性や耐久性の確保が難しく、そのために振動板の重量が重くなったり、重量問題を解消するための構造が複雑になったりと、製造が難しく徐々に姿を消して行ったといったところのようです。
現在では一部のメーカーが独自の研究開発を続けて進化させた平面スピーカーを製造販売しています。当店ではFAL(ファル)と寺垣ラボの二つのメーカーを取り扱っています。それぞれ構造、材質や製造方法が違いますが、基本的な平面振動板の考え方はほぼ同じです。
 
FAL(ファル)のスピーカーの商品ページはこちら
 
寺垣ラボのスピーカーの商品ページはこちら
 
202110715248.jpg
 
FALは位相特性に優れた全面駆動型の平面型振動板を40年以上研究開発を続けている日本を代表する平面スピーカー専門メーカーです。全面駆動の平面型振動板を十分に満足のいくパワーを得るために永久磁石の中で最も強力なネオジム・マグネットの中でもさらに強力なN48を採用しています。デュポン社製ボイスコイルボビンは外側と内側に銀線を2重の手巻きを施しています。振動板は軽量高剛性の発泡スチロール(コンクリート並みの強度!)の表面に葦から作ったパピルスを張り、人工皮革のエクセーヌで表裏のエッジは挟んでダブルエッジを形成しています。そのレスポンスの良さと駆動力を最大限発揮するためにフレームは、軽量で強固な構造のアルミダイキャスト製フレームです。FALは、かつて平面振動板の弱点だと云われていた問題点を独自手法で解消しています。
 
2021107151812.JPG
 
上記の構造により、リニアリティと能率の高さ、そして高耐入力性をも両立しています。四角形のユニット形状は円形よりも指向性が優れているとのこと。
一般的なコーン型スピーカーでは音の放射角度は60°程度ですが、FALフラットドライバーは120°以上です。そのため音場表現がより広く、ステレオエリアも広大です。左右スピーカーの中心から外れた位置でもステレオの定位が偏り難いのも大きな特徴です。振動板全体を使って再生するために、小さなサイズでも十分な低音を再生することが出来ます。148×128×55mmサイズのFLAT-C60でも30~40cm程のウーハーに匹敵します。正確な位相特性と優れた定位感による空間表現は、編成演奏の各楽器、声楽の質感と奥行き感を臨場感豊かに再現してくれますのでクラッシックやジャズ愛好者にはとても人気があります。また、能率も高いので、小出力のシングルの真空管アンプもエネルギッシュに対応してくれるのでオススメです。